■フライボール
 犬が4台のハードルをジャンプして、ボツクスの前面を足で叩き、飛び出してくるボールをくわえて、また4台のハードルをジャンプして戻ってきます。戻ったら、次の犬のスタートです。4頭1チームで行われ、ハンドラーはラインを越えることはできません。
 ボールをくわえてこなかったり、ハードルをジャンプしなかった時は、最後にもう一度やり直しです。短時間で勝負が決まり、パッシングなどのテクニックも要求されるエキサイティングなドッグスポーツです。
 基本的にはチーム競技ですが、ボックスの背面からボールがホップしてくるクラフト式のボックスを採用しているJKCの種目には、タイムトライアル形式の個人競技があり、チームとして揃わなくても、参加できるようになっています。

●主な団体のWebサイトをチェック!
社団法人ジャパンケネルクラブ(JKC)
http://www.jkc.or.jp/
日本フライボール育成協会(JFPS)
http://www.geocities.co.jp/AnimalPark/5429/

A・F・C トレーニングキャンプから、ロニー・オルソン氏(フライボールの専門家)によるフライボールのレッスン。フライボールはチームプレイなので、興奮した犬を意欲を損なわすことなく、どのようにコントロールしたらよいか・・・を、テーマに開催。

準備訓練
 どんな状態からでも「フセ」をさせられれば、犬をコントロールしやすいし、犬が興奮状態にある時に「フセ」ができれば、普段の生活でも賑やかな商店街にでかけた時に役立ちます。
 犬の好きなご褒美を用意して、ゆっくり「フセ」をする犬に素早く反応するように、遊びを取り入れて伏せをさせるゲームなどを交えてトレーニングが進行します。すでに犬が学んでいることに号令を付けてやりますが、号令は確実にできることが確認できてからにします。
 チームプレイのフライボールでは、短時間に錯綜した状態で競技が進行するので、興奮した犬をより確実にコントロールするために「フセ」の強化が大切です。ゲームを取り入れたり「訓練」が犬にとってもハンドラーにとっても楽しい時間となるような練習カリキュラムが必要です。
フライボールの実践練習
 ハンドラーが二つ目のジャンプで犬を押さえ、ローダーが手のボールを弾ませたり、犬の名前を呼んでマシンのボールに興味を抱かせて誘います。走ってきた犬はボールをくわえ、反転して四つの障害をジャンプ、ハンドラーは手にした投げ輪つきボールなどを、ゴールしてくる犬の前方に投げて、犬の意欲を高めスピードアップを図ります。この時障害と障害の間を一完歩で走れず二完歩の犬がいる時は、障害の間隔を9フィート(約275センチ)に縮め、一完歩で跳べるように練習します。


パッシングの練習
 スタートライン上でフライイングすることなく、二頭の犬がすれ違う練習に挑戦します。慣れないうちはスタートラインに近いところから犬を放します。ハンドラーはパッシングのタイミングを計って、犬をハンドラーが押さえた状態に近いところからすれ違わせますが、犬はマシンに集中しているように持っていきます。犬のリリースポイントは初歩の段階では最後のジャンプの当たりで構いません。犬を追いかける癖のある犬は、一番に走らせないと戻ってくる犬を追いかけようとしたり、集中力が途切れてしまうかも知れません。練習に熱が入ってくると、ハンドラーのほうが興奮し過ぎて、どんどん前に出てきてしまう傾向がありますから注意してください。
レベルが上がってきたら
 スタートラインの後方から犬を放し、走っている状態で犬がスタートライン上ですれ違えるように練習します。犬はだいたい15から20フィートを一秒で走れるので、最終的に障害間を一完歩で戻れます。ただ、ウェルシュ・コーギーなど1秒10フィートくらいの犬もいますから、練習の時に犬の個性を把握してください。スタートライン上でフライイングせずにパッシングできる目安は、戻ってくる犬21フィート、スタートする犬18フィートですが、犬のすれ違う位置の調整は、スタートする犬の側でする方が、やさしいでしょうとアドバイス。
アリゲーターダウンゲーム
 このゲームは伏せの強化を図ります。四カ所に犬が伏せをする目印があり、二チームが確実性と速さを競います。これは「フセ」を即座にさせる練習になるばかりでなく、実際にフライボールの競技に挑んだ時、興奮した状態の犬を慌ただしい環境のなかに放り込んだ状態が生じるので、「フセ」の号令に即座に反応できることが非常に大切です。アメリカのフライボール競技会には100チームくらいが参加するので、ウォームワークは2分間しかありませんから、その意味でも他の犬と問題を起こしたりしないで待っていられることは重要です。
リーブ・イット(放っときなさい)ゲーム。
 アグレッシブになってはいけないそり犬の練習にも取り入れられています。ハンドラーと犬が内側に向き合って、縦二列に並びます。入口側で犬を押さえてもらい、出口側でハンドラーが犬を呼びます。犬が途中の誘惑に負けないで真っ直ぐ戻ってこれるかを競うゲームで、慣れてくれば幅を徐々に狭くしていきます。
この後、などフライボール・クェッションと休憩を挟んで、屋外で二チームに別れてゲーム/アラウンド・スルー。短いトンネルを潜ったり、ハードルをジャンプして先のポールを廻って戻ってくるリレー・ゲーム。
質問コーナー
Q:ボールに興味を示さない犬はどうしたら良いでしょうか?
A:シェイピングが良いと思います。座って犬にボールをくわえさせ、吐き出したらご褒美・・これを繰り返しボールを吐き出すことを教えていきます。私は必ず最後から教えていきます。クリッカーを併用する時も鳴らすレベルを徐々に上げていきます。時間は掛かりますが、犬は確実に向上していきます。
Q:ミニとスタンダードが1チームに混じっていますが、ハードルの高さはどう成りますか。
A:ハードルの高さは体高の一番低い犬より4インチ低い高さ。ハードルの最高の高さは16インチです。
  (ロニー・オルソン講師によるA・F・C”新春フライボールキャンプ’97”より)


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