| アジリティーを身体で考える/雑感0209 2005年7月11日(月)/記 |
| 「犬はいいんだけれど、ハンドラーがミスしましたね」とか、「犬は良くできていました」などと、海の向こうから来たインストラクターに言われて、ふくれっ面をするハンドラーが、たまにいたりする。 犬は4つ足で歩く。人よりも優れた能力も確かにある。普通はハンドラーが犬を育てていくが、犬がハンドラーを育ててくれることもある。一般的に走るのは、犬の方が人より速いが、4つ足で走る分、人に較べて動き自体は単線的な線上にあるだろう。人は2足歩行している。手を振って、歩くのが一般的になっている。上体はかなり自由で、両手もかなり込み入った仕草ができる。複雑な動きができる分、日常の動作とは違ったスポーツ的な動き一つを身につけるのにも、時間が掛かったりしてしまう。 アジリティーのハンドリングにおいても、初期の段階では特に量をこなすのは、日常生活では、あまりやらない動きを意識的に習得し、テクニックとしてオート化するするまでに、動きの質を高めるためということになる。漫然とシーケンスの反復練習をするのではなく、ハンドラーが集中力を一定時間持続させながら、ハッキリした目的意識を持って練習することが大切となる。しかし、ハンドリングには犬につき含ってもらう必要があるから、集中力の持続はハンドラーの集中力ではなく、犬の集中力の持続時間に合わせて、練習に取り組むことになる。もちろん、ハンドリングの主導権はハンドラーが持っている。この辺の犬と人との関係を、ハンドラーが分かっているから、「犬はいいんだけれど・・・」などと言われると、ムッときたりするのかも知れない。 アジリティーで犬の動きは比較的単純だとして、競技犬の走法自体に改善の余地はないのだろうか。「ランニングパフォーマンスを高めるスポーツ動作の創造」(東京大学教授/小林寛道著/杏林書院/本体2,100円+税)に「馬の走法の改善」という章がある。人間のスポーツ科学を競走馬に応用し、馬の特性に応じた認知動作型トレーニングで馬の走りを変えていこうという考えとか。人間のスプリント走では、着地は身体の重心の真下で行い、地面を押すのだそうで、馬にもこれを応用する。後肢の推進力に対して、あまり重要視されていなかった前肢の推進力を強化する。前肢胸部の養成と、「円形かき込み動作」を馬に学習させる。坂路調教、水中歩行、低い障害飛越のような運動を行うそう。こうした競走馬に対する考え方は、アジリティー・ドッグにも応用できそうに思う。競技スポーツとして、勝つためばかりでなく、犬のケアとしても必要なトレーニングといえるのでは。 犬の場合、一番簡単な犬の筋トレ方法は、ハードル2台を平行に並べたり、並列に並べたりして、犬に連続ジャンブさせるやり方が、比較的手軽な方法として取られていると思う。ハンドラーのスキルアップに、目が向きがちかも知れないが、犬の自由運動をもう少し考えて、良い動作で持久力のある犬のためのトレーニングを考えることも、スキルアップには必要ではない・・・かと。 |